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 りんご栽培管理と農業機械の安全対策

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1.凍霜害の防止策
   天候によることですから、受け身の対策とならざるを得ないものですが、これまでの経験から、被害の発生を軽減することや回避することは可能です。その主だったものは、発生を的確 に予想し準備万端として備えること、不幸にして発生した場合の的確な対応を取ることです。それほどまでに気を配っても毎年のように発生する場所は不適地として、その作物や品種を他に切り替えることも仕方のないことです。霜発生予想の勘所は、天気予報を聞き漏らさないことと、経験と勘、予察、注意力により行動することです。(実際は深酒しないことの注意が一 番効果がありそうですが。・・・)

  気象情報に十分注意を
     雨が降って2〜3日後の晴れた風の弱い日で、夕方から冷え込み始めれば降霜の危険あり、と言われています。これは気圧配置から移動性高気圧に覆われてよく晴れた日に放射冷却が起きるタイプですが、他にも日中も冬のように寒く、そのまま夜も冷え込んで行く、冷たいオホーツク海高気圧の張り出し冷気が上空に居座ることでおきるタイプがあります。前者は気温の逆転層が発生しやすいので防霜ファンの効果があります。

  便利な最高最低温度計
     1日の温度の最高と最低が分かる温度計があると予想を立てるのに便利です。計りたい場所の1.5m程度の高さに備えて測定し、ニュースで知る近い地点の最低気温との差を予め把握しておくと、翌朝の予想気温を自園に近い値に修正利用できます。なお、温度計は、最寄りのJA等で取り扱っております。
☆樹体・・・生育の進み具合により抵抗力が違う
生育の進み具合によって、低温に対する抵抗力が違いますので、対策の重要性が変わります。りんごでは展葉期から抵抗性が弱まり、花蕾着色期、開花直前が花器の最も弱い(マイナス1.8℃)時期となります。なお、植物の表面温度は外気温よりもさらに1〜2℃低くなりますから0℃でも危険です。

  園地環境に注意を
     園地の向きや傾斜、外周の状況などで冷気の侵入も違います。水霜で草が枯れて霜道が判るので、外周に生垣を設置して冷気を入れないようにしたり、入ってくる冷気を溜めないで排除するような園地構造とします。また、併せて燃焼法を行い、万全を期して危険期を乗り切りましょう。
 平成10年のぶどう晩霜被害の事例では、直前にビニールをかけた園地ではトンネルが地面 の放射熱をつかまえて、トンネル内のぶどうを守りました。また裸地や草刈管理ができていた園地も被害が軽い例が多くあります。
 頻繁に降霜の危険にさらされる園地は補助事業などで防霜ファンを導入し、生態の遅い品種を主体とするなど、対策を講じなければなりません。

2.果樹スピードスプレーヤ等防除機械の保守と効率利用
 
 りんご栽培で大切な病害虫防除の能率を飛躍的に上げたのはスピードスプレーヤでした。とはいえ、高価な機械ですから共同利用組合をつくり、病害虫や薬剤の勉強会をし、地域のりんご農家のまとまりの象徴でもありました。しかし、共同防除組合も、最近では個人経営が拡大するにつれ、大規模農家ほど離脱するという矛盾を抱え、構成員の高齢化と兼業化が 進み、多くの共防でオペレータ不足が懸念されるようになりました。問題は、薬剤を散布する人が不足しただけでなく、機械を取り扱える管理者も不足してきていることです。

  過去の経験を十分に生かす
     以前に、ある共防で重大な故障が生じ、修理に長期間を要し、代車の手配も遅れ20日以上も散布間隔が空いてしまい、作柄に影響が出るほどの病害発生を経験したことがあります。不幸は重なるもので、結局新車に買い換えたのですが、この時の経験から
1. 日常の始業点検や保守管理を大切にし、軽い異常で発見できればよかったのに・・・
2. 代車の手配や近隣からの応援がすぐもらえるよう、こころがけておけばよかったのに・・・
3. 農機具共済に加入し、減価償却分を個々に貯めて準備し、万が一に備えておけばよかったのに・・・

 共防、個人所有を問わず、故障したら機械屋さんに来てもらえばよい、との風潮に感じます。むろん特殊な機械なので専門的な知識や技能が必要なのですが、大切に扱い故障を少なくし能力を最大限発揮させようという基本に立ち返っていただきたいと思います。

  効果の出る散布を
    次に、散布方法ですが、りんごにかかって初めて農薬の効果が出るのですから、走行ギアを上げての駆け足走行は厳に慎むことは言うまでもありません。
 りんごの繁茂状況から時期毎の必要な薬液量が示されていますから、走行速度から一定時 間に何リットル吐出すればよいかが分かります。適正な吐出量としてから角度や多少を噴孔サイズの組み合わせやノズルで調整します。無風の時に空水で吐出させ、お日様に透かすように見ると散布角度の重複や濃淡がよく分かります。

  安全走行には万全の対策で
   

 最後に、重量のあるスピードスプレーヤーの事故は人命に関わります。大黒柱が入院し大きな痛手を受けた事例も多数あります。絶対に安全ということは“ない”のですから、地面の凹凸、急傾斜沿いの通路、低い大枝など、ほ場には多くの危険が潜んでいます。改善できることは全て行い、事故の未然防止に努めましょう。



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