NOSAI岩手 (岩手県農業共済組合連合会)
農業共済新聞 岩手版
「岩手中生」で手打ち麺や乾麺
”幻のそば”を守る
二戸市 昆俊顕さん
2015年3月3週号掲載記事

自家製手打ちそばを手に昆さん
【二戸市】
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 二戸市の在来ソバ品種「岩手中生」を使用したそばを販売している、同市の「そば処きんじ」昆俊顕代表(62)。一時期、生産が途絶えかけていた「岩手中生」は、昆さんが約20年前に岩手県農業研究センターに残されていた種子を同センターから約400㌘取り寄せ、2003年に本格栽培が始まって復活したもので、関係者からは「幻のそば」と呼ばれている。
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  「実家がそば屋なので、小さいころからそばを食べてきた。興味を持ち、調べれば調べるほど奥が深い食べ物だと思う」と昆さん。原料の「岩手中生」を地元農家に栽培依頼し、手打ち麺や乾麺などに加工・販売している。
 
 岩手中生は、やや晩生で夏播きが多く、子実が中小粒なのが特徴。果皮率が高く、また、甘皮部が多いことからソバ特有の香りや味が強く出ることが挙げられる。
昆さんの提供するそば製品は、手刈りをした後に約10日間天日干ししてから実を採り、また、熱を帯びないよう石臼で自家製粉しているため、熟成した良質な食味に仕上がっている。
 岩手中生の普及拡大のため、地元の営農組合や農家、市内の製造会社を通じ「地産地消の会」の設立を図ったこともある昆さんだが「天候に左右されやすく、毎年、収穫量にバラつきが出ることや収穫のタイミングが短いことが難点になり、取りまとめることができなかった」と悔しい胸の内を話す。

 自家製手打ちそばを手に昆さん
 
 
「香りが強く、かむほどに味が出てくる」と消費者に好評な岩手中生のざるそば
 約20年前からそば好きの仲間と「二戸御法度の会」を結成し、そば打ちをしたりイベントなどに参加したりして、他地域のそば店と情報交換を通して試行錯誤しながら商品開発に打ち込む昆さん。「粒が比較的小さく、収量は少ないが、手作業で行うことで良質な実を無駄なく収穫できる」と岩手中生の良さを話している。
 昆さんは「高齢化が進み、大規模農家が増える中で機械に頼ることが多くなるが、昔ながらの無くしてはいけないものがあると思う。模索中だが、少しでも岩手中生の普及に貢献できたらうれしい」と力強く話してくれた。
▽問い合わせ=そば処きんじ
(TEL0195・23・3028)(沼山)