農薬安全使用のポイント
F保管、管理もしっかりと
2010年6月2週号掲載記事
 第3回で示したように中毒事故の原因別発生割合では、「保管、管理不良、泥酔等による誤飲誤食」の事例が18・4%を占めています。農薬はきちんと保管して正しく使うことが、農薬中毒と危被害の防止につながります。

 ▼農薬専用の保管場所をつくり、必ず鍵をかけましょう
 これは農薬工業会から使用者の皆さまに、毎年呼びかけていることです。保管場所を確保する上でのポイントは、次のとおりです。
 @食品、種子、苗、肥料、保護具とは区別して、直射日光の当たらない、冷涼で乾燥したところに設置する。
 A毒物・劇物の農薬は、「医薬用外毒物」「医薬用外劇物」の表示をした保管庫に入れて、必ず鍵をかける。
 B火気注意、火気厳禁と表示されている農薬は、火気を避けて保管する。
 C保管場所は、耐震性、難燃性を考慮する。
 D保管時に特別な注意が必要な農薬は、製品ラベルに記載されている保管および管理方法に従って、他の農薬とは分けて保管する。例えば次のようなものがある。
 ア:土壌消毒剤と種子・苗・肥料・ほかの農薬
 イ:酸性物質と反応する薬剤と酸類
 ウ:発火性のある薬剤と可燃物
 E除草剤は、他の殺菌剤や殺虫剤とは分けて保管する(誤使用による作物への薬害防止のため)

 ▼在庫台帳を備え、入庫と出庫の記録をつけましょう
 保管中の農薬の種類と数量を管理する手段として、大変役に立ちます。有効年月もチェックすると、期限切れ製品の使用を避け、廃棄処理の無駄が無くせます。
 また、毒物・劇物の農薬は、危被害防止の観点から、万が一の場合には次のように法で定められた対応が必要です。
 @盗難・紛失があった場合、すぐに警察署に連絡し、最寄りの保健所にも連絡する。
 A流出・漏えい事故は、すぐに保健所、警察署または消防機関に連絡し、保健衛生上の危害を防止するために必要な応急措置を講じる。入・出庫の記録をつけると、数量の確認が正確にできます。
 農薬中毒と危被害を防止する上で、保管、管理の徹底と併せて次の3項目にもご注意をお願いします。
 @他の容器への移し替えは絶対にしないこと。
 A万が一の破損に備えて、トレーを敷くなど混ざらないように工夫すること。農薬が流出したときに備えて、吸収用の砂などを用意しておく。
 B保護具(マスク、眼鏡など)は一緒に保管しない(汚染防止のため)。 

 第1回にお話ししましたが、農薬の安全使用には、使用者の安全、作物の安全、消費者の安全、そして環境の安全の四つの視点が必要です。使用者の皆さまには、農薬を安全かつ適正に使用して危被害の防止に努め、病害虫や雑草防除に役立ててくださるようにお願いします。


(おわり)

必ず鍵をかけよう
(農薬工業会安全対策委員会委員長・石島藤夫)


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